【教材検討】「山月記」の実践を考える(2021年5月例会)

2021年07月25日(日)|by カプス管理2
《教材検討1》
「李徴が虎になったのはギフトなのか罰なのか」という問いからスタート。 合わせ読みとして、小川洋子・河合隼雄『生きるとは、自分の物語をつくること』を構想中。

《教材検討2》
千野帽子『人はなぜ物語を求めるのか』との合わせ読みによって、「李徴が虎になった理由」を解釈する。

《教材検討3》
「人虎伝」との合わせ読みから、「山と月」「臆病と自尊心」「人間と虎」などの二律背反の葛藤を考える。(道徳的な、一義的な読み方はすべきではない)

《会員からの意見》
  • 「山月記」の授業目標はなにか? →基本的には、描写に注目しながら小説の読み方を教える。合わせ読みはプラスアルファ。 「この教材を教える」のではなく、この教材を使って読解力を高めることが重要。
  • 「天保の末年」の時代背景をふまえて考える(参考:小森陽一『大人のための国語教科書』) →テクスト内で完結すべきではないか? 総花的にせず、焦点化すべき。
  • 「道徳的な読み」を導くような指導書は今はないのではないか。
  • ナラティブ・アプローチを使って「いろんな見方ができると視野が広くなる」と説明することも可能。
  • 自分の物語を作っていくことはアイデンティティの形成につながる。人物に同化してみることも。
  • 新カリで「文学国語」を採用しない学校では「山月記」を読まないだろう(数研出版「言語文化」には収録)。

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