最上敏樹「世界隔離を終えるとき」(2020年10月例会)

2020年10月20日(火)|by カプス管理2
 最上敏樹「世界隔離を終えるとき」(村上陽一郎編『コロナ後の世界を生きる』岩波新書 所収)。筆者は専門である国際法の立場から、コロナ後の世界について論じている。

〔内容〕
 コロナによって、それぞれの国の脆弱性があらわとなるだけでなく、この事態に地球全体の問題が関わってい ることが明らかとなった(環境破壊、野放図な自由主義経済、脱落者の切り捨て等)。今後、「勝者なき収束」のあとはどうなるのだろうか。一方、世界の各国の友人が「同じ境遇におかれている」という実感を抱くことができるようになった。この「深い精神的連帯」は、来るべき世界の資本となるであろう。

 会員から「「グローバル化」というテーマで読ませることもできそう」「地理を詳しく学んでいない生徒にもわかりやすい」などの意見が出たあと、以下のような問題提起がされた。

 教育現場は、目の前のこと(行事どうする、消毒どうする等)に追われて、コロナ後のことを考える余裕はない。しかし、授業ではそこをこそ扱いたい。たとえば大坂なおみ選手のことなど、人権問題として取り上げるべきである。ニュースなどで知ってはいる生徒に、さまざまな情報を統合させ、今こそ課題意識を持たせたい。

 身近なところで、世界中で、いま起きている、「分断」の問題(生徒の中にも、部活動や入試をめぐって分断が起きている)、格差の問題を、教室に課題として持ち込みたい。

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