新年会(2019年1月)

2019年02月12日(火)|by カプス管理2
1月の例会は毎年恒例の新年特別例会。京都でおこなわれた。当研究会・代表世話人の松井さんの語りをまとめる。

新しい思いのせて櫂をこぐー非連続の連帯へー

《2018 年6月23日におこなわれた沖縄全戦没者追悼式において、相良倫子さん(沖縄市立港川中学校3年) が自作の詩「生きる」を読み上げた。冒頭、その動画を見る。》

日本の政治は、教育は、彼女の小さな魂に応えているのだろうか。 来月、講演会がある。東大闘争の総括を、八鹿高校事件を、語る人物がいない。語らなければならない。

1.勇気こそ地の塩なれや梅真白(草田男)
我々は「地の塩」にならなければならない。山崎高校、予備校の教え子たちが現在40代。 教師をしていたころは、平和、平等、人権など、共通の地平があった。今はどうか。教師が変わらないと生徒は変わらない。

2.日常(職場・学校)の中の「空気」の圧力 ・「分」をわきまえろ という圧力がある。
・「国のために基地提供を甘受すべし」という圧力
・タレント・ローラの「政治的」発言に関する批判
・落合陽一・古市憲寿の発言(注1)…想像力の欠如である。
・「ヘタレ」根性 「だれかやるでしょう」という考えの者が多い。メディアも考えなくなった。ニュースキャスターも同じく。

3.次の「春」を立案するために
・動詞にこだわることの大切さ
 動詞がおとろえている。体験していかないといけない。
・「それでもあきらめない」(カミュ「シーシュポスの神話」)
・相良倫子さんの詩
・俳句弾圧 不忘の碑(注2) 金子兜太の揮毫による。「人間をコマみたいに扱われたこと」に対する怒り。
 夏の海水兵ひとり紛失す(渡辺白泉)

注1:『文學界』2019 年 1 月号での対談「『平成』が終わり、『魔法元年』が始まる」のなかで、落合、古市は「終末期医療、とりわけ最後の 1 カ月の医療は金の無駄だ、社会保障費削減のためにやめたほうがいい」という趣旨の発言をした。記事は「文春オンライン」にも転載(現在は削除)。

注2:戦時中の治安維持法の下、40人を超える俳人が検挙され、投獄されるなどした事件を忘れないとして、上田市古安曽に「俳句弾圧不忘の碑」が建立された。碑の文字は故金子兜太の揮毫による。建立の計画を進めてきたのは、フランス人で俳人、比較文学者のマブソン青眼。「無言館」館主でもある。

4.必読推薦図書
・『罪と罰』(ドストエフスキー)
・ 『異邦人』(カミュ)
・ 『細雪』(谷崎潤一郎)…戦時中、『細雪』は軍部から発禁処分を受けた。それはなぜか?
・『あなた』(大城立裕)…大城立裕は沖縄初の芥川賞作家。

コメントをどうぞ




このページのトップへ