『2020年の大学入試問題』(講談社現代新書)の著者として、教育界に一石を投じた石川一郎氏。今度は、教師に向けての新書。
見出しを列挙するだけでもなかなか刺激的だ。「教師は『指導者』ではない」「指導者になりたがってはいけない」「生徒のゴールは学校生活にはない」「理想の教師像は『プロデューサー』」「変化を拒む教師たち」などなど。
つまり、大学入試改革、高大接続といった2020年問題に、教師が対応できるかを問うているのだ。
教育の制度が大きく変わる。すなわち、それは教師自身の変革も求められている。
とかく教師は保守的だ。今までやってきたことに対してプライドを持っている。また、うまくやってきただけに、失敗するリスクを考えてしまうと変えることは怖い。また、長年教師をやっていると、教科指導にも生徒指導にも、自分なりのパターンとか型というのができあがっていて、それを変えるのはめんどうだ、という心理もある。
けれど、変えないといけない。
著者は、管理職として教育改革の先導をしてきた。
ありがたいことに、直接お話を伺う機会に恵まれた。ご自身も、改革といっても性急に求めたわけではないという。できるところから、ちょっとずつ変えていきませんか、というスタンス。教師ほど承認欲求の強い人種はない。だから、プライドも尊重しつつ、でも、改革していかないといけない。そういう思いで、この本を執筆したという。
現場の先生はもちろんだが、ぜひ、管理職の立場にある先生によんでほしい。
2020年に廃止となる、大学入試センター試験。以降は「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」と呼ばれる新たな試験が実施されることとなる。この事実をなんとなくでも...
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