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2020年10月20日(火)|by ホームページ管理
2020年10月20日(火)|by カプス管理2
「世界中がハンバーガー」との合わせ読み教材で、塩原良和「ネオリベラル多文 化主義―選別と排除の論理」(『共に生きる ―他民族・ 多文化社会における対話 現代社会学ライブラリー3』弘文堂 所収)について検討した。
〔教材について〕
「役に立つ人―多文化主義と新自由主義が生み出す選別と排除の論理―」
グローバリゼーションによる影響のうち、文化と経済に関わる題材を取り上げた。2019年4月より入管法が改定施行され、「特定技能」資格を持った労働者を受け入れることになった。それら4万人ほどの方を含め、日本には、在留外国人がおよそ365万人いる(2019年12月現在)。「助っ人」のマイノリティである外国人を、マジョリティとして優位な立場から選別している構図に目を向けさせたい。
今回の問題提起、議論を受けて、次回は「分断」をテーマとした教材検討をすることになった。教科書教材として、気候変動問題をテーマに、世代間の対立に触れながら論じた、岩井克人「未来世代への責任」を扱う。
2020年10月20日(火)|by カプス管理2
最上敏樹「世界隔離を終えるとき」(村上陽一郎編『コロナ後の世界を生きる』岩波新書 所収)。筆者は専門である国際法の立場から、コロナ後の世界について論じている。
〔内容〕
コロナによって、それぞれの国の脆弱性があらわとなるだけでなく、この事態に地球全体の問題が関わってい ることが明らかとなった(環境破壊、野放図な自由主義経済、脱落者の切り捨て等)。今後、「勝者なき収束」のあとはどうなるのだろうか。一方、世界の各国の友人が「同じ境遇におかれている」という実感を抱くことができるようになった。この「深い精神的連帯」は、来るべき世界の資本となるであろう。
会員から「「グローバル化」というテーマで読ませることもできそう」「地理を詳しく学んでいない生徒にもわかりやすい」などの意見が出たあと、以下のような問題提起がされた。
教育現場は、目の前のこと(行事どうする、消毒どうする等)に追われて、コロナ後のことを考える余裕はない。しかし、授業ではそこをこそ扱いたい。たとえば大坂なおみ選手のことなど、人権問題として取り上げるべきである。ニュースなどで知ってはいる生徒に、さまざまな情報を統合させ、今こそ課題意識を持たせたい。
身近なところで、世界中で、いま起きている、「分断」の問題(生徒の中にも、部活動や入試をめぐって分断が起きている)、格差の問題を、教室に課題として持ち込みたい。
2020年10月05日(月)|by ホームページ管理
2020年10月05日(月)|by カプス管理2
「どういう状態になれば「読める」と言えるのか?」を考えて、改めて教材研究をおこなった。
会員からは、本文への書き込みについて、評論の読み方、評論の基本パターン等についての意見が出た。
青木保『多文化世界』(岩波新書、2001年)
岡真理「「文化が違う」とは何を意味するのか?」(一橋大学、2010年過去問より)
「情報を統合させ、まとめること」を目標に、青木保は基礎文献として、岡真理はいまの世界を考えるために。
2020年10月05日(月)|by カプス管理2
【授業案】
教科書への導入として「読売中高生新聞」を。五輪延期という身近な話題から、評論文を通して、知らないことを知り、批判的に考える。教材では「具体と抽象」「逆接」などの読む技術を指導する。
【なぜ「読み比べ」教材開発をするのか?】
教材検討の過程で、原点に立ち返り、そもそも「なぜ読み比べをするのか」、カプスの活動で、何のために複数テキストの教材開発をしているのか、会員で再確認した。
・東京書籍『精選現代文B』では「読書」に関する複数教材。新課程の教科書も同様か。
・大学入試(共通テスト、二次試験)では複数教材での出題が増えていく。
・中学は次年度から新課程だが、やはり複数教材で読み比べができるようになっている。
・小学校ではテーマに合わせた複数教材の指導がしばしばされている。
・背景知識がないと文章は読めない。
・教材テーマを他教科と関連させて、教科横断での指導をしていきたい。
・複数の文章を読ませることで焦点が拡散し、教科書教材を読めなくなるのではないか?
→教科書教材で言語技術は当然、しっかりと教える。そこに投げ込み教材によって補足する。
・教科書教材を使って、「この教材ではこの言語技術を教える」という形で絞り込んでいくことが必要。
・カプスの活動としては、「今の現場で使える形」での教材開発をやることが必要。
→それが、「教科書教材を元にした複数教材の開発」である。