更新履歴

2020年11月のオススメ本

2020年12月25日(金)|by ホームページ管理
       
タイトル 作者名 出版社
人新世の「資本論」 斎藤幸平 集英社新書
社会を知るためには 筒井淳也 ちくまプリマー新書
鹿の王 水底の橋 上橋菜穂子 KADOKAWA
半沢直樹 アルルカンと道化師 池井戸潤 講談社
日本婦道記 山本周五郎 新潮文庫
流学日記 20の国を流れたハタチの学生 岩本悠 幻冬舎文庫
小説伊勢物語 業平 髙樹のぶ子 日本経済新聞出版社
苦海・浄土・日本 石牟礼道子 もだえ神の精神 田中優子 集英社新書
コメント(0)

コロナ禍を考えるー自分の身の回りの問題、政治の問題は?(2020年11月例会)

2020年12月24日(木)|by カプス管理2
 最上敏樹「世界隔離を終えるとき」(村上陽一郎編『コロナ後の世界を生きる』岩波新書所収)について、「教材のヒント」として、 教材の使い方について提案した。

 コロナで浮かび上がった問題、歪み、脆弱性について、生徒の考えを出す材料にしていきたいと考えた。そのために、「自分の身の回りで浮かび上がった課題、問題はどんなことですか?」「3月から4月にかけてあなたは国家のやり方についてどう感じてい ましたか?」などの問いを用意した。

 会員からは、教室では現実の政治や国について扱うことが避けられる傾向にあるが、今こそ教室に持ち込んで考えさせたい、という意見が出た。また、この文章を活かすために、いま掲載されている教科書教材のなかで、政治問題を扱った文章を探る必要があり、今後の課題となった。
コメント(0)

鷲田清一「自分の身体」 伊藤亜紗『記憶する体』(2020年11月例会)

2020年12月24日(木)|by カプス管理2
 鷲田清一「自分の身体」について、合わせ読み教材を検討した。

 提案の教材は、伊藤亜紗『記憶する体』(春秋社、2019年)。「像」(イメー ジ)でしかあり得ない、夢見られている「わたしの身体」について考える文章として提案した。

 授業での課題では「「自分の身体」との共通点と相違点をまとめさせる」「「分有される痛み」について、「共有」との違いについて考えさせる」などを想定している。文章が平易で具体例も豊富な文章で、特に「分有」という概念は興味深く、考えさせたい問題でもある。切り取った部分はそのままでは使えない長さだが、鷲田教材をどう扱うかによって、使い方も変わってくるだろう。 
コメント(0)

いまこそ、「分断」を考えさせたいー地球温暖化問題から (2020年11月例会)

2020年12月24日(木)|by カプス管理2
 地球温暖化問題から 「今の問題」を教室に持ち込みたい。そのために「分断」というキーワードで教材の可能性を探っていきたい。

 前回例会で「分断」をテーマとした教材を探ることとなったが、その手始めとして、 資本主義と地球温暖化問題とを中心に、ある意味で世代間の「分断」を扱ったと言える、岩井克人「未来世代への責任」の教材検討をした。

 昨年度の授業では、「評論文の内容から、現在の状況に引きつけて、問題を主体的に考える」などを目標とし、グレタさんのスピーチや、現在の気候変動問題(パリ協定)の資料などを踏まえて、意見文を書かせた。

 会員からは、斎藤幸平の話題書『人新世の「資本論」』が合わせ読み教材として使えるのではないかという意見が出た。
 今後の課題として、『人新世』も含めて、「未来世代 への責任」の合わせ読み教材を探っていく。
コメント(0)

2020年10月のオススメ本

2020年10月20日(火)|by ホームページ管理
       
タイトル 作者名 出版社
ドラゴン桜ドラゴン桜2
 受験のテクニックだけでなく、コーチングについても勉強になる
三田紀房 講談社
宇宙に行くことは地球を知ること
 芸術家から見た宇宙観。
野口聡一、矢野顕子 光文社新書
鹿の王 水底の橋
 名作ファンタジーの続編。コロナ禍の今こそ、おすすめ。
上橋菜穂子  KADOKAWA
世界最高の教室
 ビル・ゲイツが称賛する全米トップの教育。
ダイアン・ダヴァナー 飛鳥新社
ごろごろ、神戸。
 男性である筆者がベビーカーで神戸の街をごろごろ歩く。神戸市公式ホームページ掲載のエッセイ。
平民金子  ぴあ
学校の「当たり前」をやめてはいけない! 現場から疑う教育改革;ゲンバカラウタガウキョウイクカイカク
 ベストセラー『学校の「当たり前」をやめた。』徹底検証。教育行政主導の学校改革に異を唱える。
諏訪哲二 現代書館
密やかな結晶
 消化しきれない読後感、感想を聞きたい。
小川洋子 講談社文庫
銀河鉄道の父
猫を棄てる 父親について語るとき
父親について。前の世代(戦争)をどう背負っていくのか。
門井慶喜
村上春樹
講談社
文藝春秋
フィンランドの教育はなぜ世界一なのか 若竹美加子 新潮新書
感染症社会 アフターコロナの生政治 美馬達哉 人文書院
コメント(0)

塩原良和「ネオビベラル多文化主義―選別と排除の論理」(2020年10月例会)

2020年10月20日(火)|by カプス管理2
 「世界中がハンバーガー」との合わせ読み教材で、塩原良和「ネオリベラル多文 化主義―選別と排除の論理」(『共に生きる ―他民族・ 多文化社会における対話 現代社会学ライブラリー3』弘文堂 所収)について検討した。

〔教材について〕
 「役に立つ人―多文化主義と新自由主義が生み出す選別と排除の論理―」
 グローバリゼーションによる影響のうち、文化と経済に関わる題材を取り上げた。2019年4月より入管法が改定施行され、「特定技能」資格を持った労働者を受け入れることになった。それら4万人ほどの方を含め、日本には、在留外国人がおよそ365万人いる(2019年12月現在)。「助っ人」のマイノリティである外国人を、マジョリティとして優位な立場から選別している構図に目を向けさせたい。

 今回の問題提起、議論を受けて、次回は「分断」をテーマとした教材検討をすることになった。教科書教材として、気候変動問題をテーマに、世代間の対立に触れながら論じた、岩井克人「未来世代への責任」を扱う。
コメント(0)

最上敏樹「世界隔離を終えるとき」(2020年10月例会)

2020年10月20日(火)|by カプス管理2
 最上敏樹「世界隔離を終えるとき」(村上陽一郎編『コロナ後の世界を生きる』岩波新書 所収)。筆者は専門である国際法の立場から、コロナ後の世界について論じている。

〔内容〕
 コロナによって、それぞれの国の脆弱性があらわとなるだけでなく、この事態に地球全体の問題が関わってい ることが明らかとなった(環境破壊、野放図な自由主義経済、脱落者の切り捨て等)。今後、「勝者なき収束」のあとはどうなるのだろうか。一方、世界の各国の友人が「同じ境遇におかれている」という実感を抱くことができるようになった。この「深い精神的連帯」は、来るべき世界の資本となるであろう。

 会員から「「グローバル化」というテーマで読ませることもできそう」「地理を詳しく学んでいない生徒にもわかりやすい」などの意見が出たあと、以下のような問題提起がされた。

 教育現場は、目の前のこと(行事どうする、消毒どうする等)に追われて、コロナ後のことを考える余裕はない。しかし、授業ではそこをこそ扱いたい。たとえば大坂なおみ選手のことなど、人権問題として取り上げるべきである。ニュースなどで知ってはいる生徒に、さまざまな情報を統合させ、今こそ課題意識を持たせたい。

 身近なところで、世界中で、いま起きている、「分断」の問題(生徒の中にも、部活動や入試をめぐって分断が起きている)、格差の問題を、教室に課題として持ち込みたい。
コメント(0)

2020年9月のオススメ本

2020年10月05日(月)|by ホームページ管理
       
タイトル 作者名 出版社
モモ ミヒャエル・エンデ 岩波書店
三体2 黒暗森林 ()・() 劉慈欣 早川書房
コロナ後の世界を生きる 私たちの提言 村上陽一郎 岩波新書
ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学を教えてくれた 原田まりる ダイヤモンド社
柔らかい個人主義の誕生 消費社会の美学 山崎正和 中公文庫
教養の書 戸田山和久 筑摩書房
トーキング・トゥ・ストレンジャーズ M.グラッドウェル 光文社
「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考 末永幸歩 ダイヤモンド社
ほめるのをやめよう リーダーシップの誤解 岸見一郎 日経BP
ユリイカ 特集 大友克洋   青土社
コロナが加速する格差消費 分断される階層の真実 三浦展 朝日新書
第四の消費 つながりを生み出す社会へ 三浦展 朝日新書
学びの復権 辻元雅史 岩波現代文庫
SDGs時代の教育 すべての人に質の高い学びの機会を 北村友人ほか 学文社
熱源 川越宗一 文藝春秋
コロナ・ショックは世界をどう変えるか 政治・経済・社会を襲う危機 イワン・クラステフ 中央公論新社
コメント(0)

多木浩二「世界中がハンバーガー」教材検討(2020年9月例会)

2020年10月05日(月)|by カプス管理2
 「どういう状態になれば「読める」と言えるのか?」を考えて、改めて教材研究をおこなった。

 会員からは、本文への書き込みについて、評論の読み方、評論の基本パターン等についての意見が出た。

青木保『多文化世界』(岩波新書、2001年)
岡真理「「文化が違う」とは何を意味するのか?」(一橋大学、2010年過去問より)
 「情報を統合させ、まとめること」を目標に、青木保は基礎文献として、岡真理はいまの世界を考えるために。
コメント(0)

多木浩二「消費されるスポーツ」教材検討(2020年9月例会)

2020年10月05日(月)|by カプス管理2
【授業案】
 教科書への導入として「読売中高生新聞」を。五輪延期という身近な話題から、評論文を通して、知らないことを知り、批判的に考える。教材では「具体と抽象」「逆接」などの読む技術を指導する。

【なぜ「読み比べ」教材開発をするのか?】
 教材検討の過程で、原点に立ち返り、そもそも「なぜ読み比べをするのか」、カプスの活動で、何のために複数テキストの教材開発をしているのか、会員で再確認した。

・東京書籍『精選現代文B』では「読書」に関する複数教材。新課程の教科書も同様か。
・大学入試(共通テスト、二次試験)では複数教材での出題が増えていく。
・中学は次年度から新課程だが、やはり複数教材で読み比べができるようになっている。
・小学校ではテーマに合わせた複数教材の指導がしばしばされている。
・背景知識がないと文章は読めない。
・教材テーマを他教科と関連させて、教科横断での指導をしていきたい。
・複数の文章を読ませることで焦点が拡散し、教科書教材を読めなくなるのではないか? 
 →教科書教材で言語技術は当然、しっかりと教える。そこに投げ込み教材によって補足する。
・教科書教材を使って、「この教材ではこの言語技術を教える」という形で絞り込んでいくことが必要。
・カプスの活動としては、「今の現場で使える形」での教材開発をやることが必要。
 →それが、「教科書教材を元にした複数教材の開発」である。
コメント(0)
このページのトップへ