会員の研究

【教材検討】村上陽一郎「科学・技術の歴史の中での社会」(2022年2月例会)

2022年03月21日(月)|by カプス管理2
 実践予定教材は、村上陽一郎「科学・技術の歴史の中での社会」。高校2年生対象に、「科学が社会に貢献する」ことへの疑問をもたせたいという思いを持っている。

 この教材の前に評論の岩井克人「未来世代への責任」を扱っており、それとのつながりも持たせたい。

《会員からの意見》
  • まずは、評論がそのままでは読めない生徒に補助的な教材が必要。 →「科学」と「一般社会」との間の「強い絆」の具体例など
  • 評論の読解としては、「道具」をどう捉えるかが重要。
  • STS(科学技術社会論)として、コロナ・感染症の専門家が科学と社会の関わりとしてイメージしやすい。
  • 科学者の成り立ちから考えさせるのも一つの方法である。
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【情報交換】新カリ「現代の国語」「言語文化」教科書について(2021年10月例会)

2021年12月12日(日)|by カプス管理2
 様々な意味で話題となっている新教科書。各社の教科書見本が揃い、各校では新入生が使う教科書の選定を終えた。
 各社の教科書について簡単に紹介。新カリに忠実な編集をしているものもあれば、逆に「国語総合」とあまり変わらないものも。また探究を押し出しているものもある。
 各社のホームページに編集方針や目次が掲載されているため、確認されたい。
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【実践報告】「いのち」を「問う」(2021年10月例会)

2021年12月12日(日)|by カプス管理2
 日本国語教育学会『月刊国語教育研究』(10月号)に掲載された実践報告論文「多様な評価方法を組み合わせた探究へのステップー複数のテキストをもとに「いのち」を「問う」」について。
 もともとは学会の 全国大会での発表を予定していたもののコロナで中止に。実践報告欄に投稿し、査読を経て掲載された。 根拠立てて自分の意見を書くこと、「問い立て」や探究、複数資料の読解、などに焦点を当て、安楽死やQOL をめぐる生命倫理をテーマにした単元である。
 平成30年度「国語総合」の実践ではあるが、新カリのポイントを踏まえながら、評価を工夫して授業を組んだ。
 会員からは批評文の交流・共有について意見が出た。
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今を考えるための教材 ―コロナ禍を考える 萱野稔人『ナショナリズムは悪なのか』(2020年8月例会)

2020年09月01日(火)|by カプス管理2
コロナ禍の今だからこそ生徒に読ませたい「今を考えるための教材」。

「自粛要請に従う」「自粛警察」など、コロナ禍の日本がフーコーの言う「生権力による統治」の典型となっていることから、萱野稔人『ナショナリズムは悪なのか』より、フーコーの「規律・訓練」を解説した文章を提案。

人々が 「常に監視されている」ことで服従的になるありさまは、学校制度そのものでもある。

会員からは、教室で読ませることは「ヒヤヒヤする」という意見の一方、「集団行動」などで学校制度に従順になっている(三浦雅士『身体の零度』)生徒には意識的にあってほしい、という意見も。

また、独メルケル首相のスピーチや青森県の貼り紙のニュースも関連させられるという意見も出た。さらに、単発で投げ込むよりも、教科書教材と組み合わせられないか、という提案が出た。
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多木浩二『世界中がハンバーガー』教材検討(2020年8月例会)

2020年09月01日(火)|by カプス管理2
複数教材の検討をおこなった。

いま現場の授業では、1つの教材を読んで終わり、次は別の教材、 という形で、教科書教材を単発で扱うことが多い。しかし、1つの教科書教材に関連する(類する/反する)教材を合わせて読ませることで、読み方を教えるとともに、テーマを深め、考えを広がることができる。

また、新学習指導要領の科目「論理国語」などでは、 複数の文章を解釈したりまとめたりすることが指導事項となっており、共通テストでもそのような形式で出題される見込みである。

こういった背景から、最近の例会では、ある教材を取り上げ、それに関連する文章を会員で持ち寄り、検討することを試みている。 今回、取り上げた教材は、多木浩二『世界中がハンバーガー』。グローバル化に関するものとなった。 コロナ禍のなかでグローバル化はより実感の湧きやすくなったとも いえるが、何がグローバルで何がローカルなのか、普遍化・固有化 の問題は依然として起きている。

○渡辺靖『〈文化〉を捉え直す』(広島大学2017年入試より)

○東浩紀「『思想地図β』創刊に寄せて」(コンテクチュアズ、2011)
 住原則也『「グローバル化」の中の異文化理解』
 世界のマクドナルドのメニュー(補助資料)

会員からの意見

・読み合わせは、抽象的な内容が、別のテキストによって繋がり、 生徒が実感を持てることがおもしろい。
・まずは教科書で読解力をつけて、それから発展学習で深めることが大事。

→これらの意見をもとに、2学期に実践予定である。
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演劇的手法を用いた授業案 住野則也『「グローバル化」の中の異文化理解』(2020年8月例会)

2020年09月01日(火)|by カプス管理2
オンライン例会も4回目。

今回は、演劇的手法を用いた授業提案から。

演劇的手法とは、ある立場に立って考える、という演劇のプロセスを重視する手法で、話し手と聞き手に分かれることで擬似的な「ライブ感」が出て、内容の理解を深めることができる、などのメリットがある。文章を読めることが社会に繋がることを実感させたいという思いから、教科書教材である住野則也『「グローバル化」の中の異文化理解』を主テクストとして提案した。

この提案に対して会員から、
・「自分が授業をするなら」という視点で、意見や改善案、課題が述べられた。
・単に1つの文章を読んで終わりという形ではなく、そこからどう考えられるかと発展する可能性がある、全員が体験する意義がある。

という意見の一方、発表形式やグループ編成の改善案、評価の問題などの課題も指揮された。

これらの意見をもとにもう一度練り直し、冬に授業を実施予定ということである。
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オンライン教材共同研究(2020年6月例会)

2020年08月10日(月)|by カプス管理2
オンラインによる共同での教材研究についての報告があった。

遠方の研究仲間と「Google Jamboard」というサービスを使って共同で教材研究を実施。

「漁夫之利」や『羅生門』について、「教材で指導できること」「内容価値や技能価値」 等について、ウェブ上で付箋を貼りながら考えを深めていった。

「Google Jamboard」は無料で利用でき、教材研究だけでなく、オンライン授業でも活用できる可能性がある。
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「まわし読み新聞」授業実践【6月例会報告】

2018年07月29日(日)|by カプス管理2
【第205回(2018年6月16日)例会報告 1】

授業報告があった。

農業高校で、「まわしよみ新聞」の授業をコー ディネートする予定。

朝日新聞記者による「新聞読み方講座」を受けた生徒が、「まわしよみ新聞」作成に臨む。授業にあたっては、新聞を編集することをポイントにする。編集作業によって、多様な意見をまとめていく力を育むことができるのではないか。

さらに国語 表現の授業でおこなうにあたり、評価方法も工夫して いく。 なお、授業の様子は 7 月 3 日付けの朝日新聞(教育面)に掲載。朝日新聞インタ―ネットサイトには、授業の様子を撮影した動画もアップされている。
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『夢十夜』をジグソー法で(第202回 2018年2月3日 例会報告)

2018年02月12日(月)|by カプス管理2
授業実践報告は、夏目漱石『夢十夜』より「第一夜」が教材。昨年度、研修報告として校内で おこなった研究授業である。この授業はジグソー法という手法に焦点を絞った研究授業である。

回は、「「百年はもう来ていたんだな」と男が気づいたのはなぜか」というメイン課題を解決するために、「百合」の意味、男が「白い花弁」に接吻した意味、女と男の約束の意味、という3つの課題を別々に考え させた。生徒には「1人では解決できなかった課題を、他者と協働することで解決する」という実感を持たせた。

会員からは、次のような意見が出された。

・『夢十夜』を扱う意義とは?
→やはり男目線。習作にすぎないのでは?
→象徴表現など、小説技法を教える際に有効。

・答えありきの閉じた課題でジグソー法をしても面白くない。オープンな問いに向かわせたほうがよい。
・「百合」の意味とは?
→「百年・合(逢)う」という解釈は正しいのか?
→「漱石が見た百合はどんなものだろう」などと発展させると可能性が広がる。
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当研究会代表世話人・松井仁の新著『JIN方式 入試現代評論の技法』刊行のお知らせ

2012年10月28日(日)|by カプス管理2
 当研究会代表世話人・松井仁が、現代文の参考書を刊行することとなりました。

 
 できないからの脱出。できるからの飛躍 JIN方式 入試現代評論の技法
 

   受験勉強から学問への橋渡し
   高校生の知を育む媒介であり、装置たる本。
   大学入試問題の解説が中心の、従来の学習参考書とはひと味違う。
     ―「近代」「ポスト近代」の「知」の背景をスッキリ解説

  目次
   第1章 入試現代評論入門講座
   第2章 入試現代評論 実戦的解法及び知の背景
     1 「少女論」から見てくるもの
     2 「都市論」にせまる
     3 「日本(人)論」の基本をおさえる
     4 「近代の論理」は入試現代評論の読解のための必須アイテム
     5 「時間論」を通して「反近代」の観点へ
     6 「身体論」はいまトレンディ頻出テーマ
     7 「言語(文化)論」の本質にせまる
     8 「現代社会(文明)論」で現代を読み解く
     9 「学問・芸術」論でリベラルアーツの獲得を
     10 「センター試験」なんかこわくない
   第3章 ナルホド100選・評論用語
   第4章 読んでおかなければ話にならない本 ベスト100
   第5章 時代を超えて想像力をかきたてられる良い文章との出会い

  平成24年12月、明治書院より刊行
  定価 1575円(税込み)


  お問い合わせ・予約注文は、明治書院まで。
    電話 03-5292-0272 FAX 03-5292-6181
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