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映像を「見る」授業の提案(2019年2月例会)

2019年02月17日(日)|by カプス管理2
18時からおこなわれた今回は、授業研究会の報告から始まった。2月9日におこなわれた、神戸大学附属中等教育学校の授業研究会。なかでも、 4年生(高校1年生)国語総合「主体的な学びと『見る』力の評価」という授業である。

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《単元の説明》
「小説の読解」「詩の解釈」「キャッチコピーを創作する」の単元で学んだ「言葉を読み取り解釈する学習」「工夫された表現を理解し創作する学習」を総合して、画像や映像を「見取る」ことから得た情報や解釈を基に、創作文やキャッチコピーを「書く」という学習活動へ展開。また、「ハテナの学習」(質問づくりの手法)で学んだことを「批評文を書く」学習につなげた。

《単元のねらい》
視覚情報の素材から、情報を「見取る」力を伸ばし、そこから得た情報や解釈を基に、自己の表現へとつなぐことができるようになること。

《単元の展開》
学びの意識調査 
絵に合う言葉を探す(1)
写真から見取った人物の日記創作と鑑賞(2 ~4)
Amazonプライムの動画を見て日記創作と鑑賞(5~7)
動画をCMとし て見て、そこに込められたメッセージを分析し、キャッチコピーを作る。(8・本時)
キャッチコピーの鑑賞とハテナ学習(9)
批評文を書く(10) 
評文鑑賞(11)
事後学習(400字レポート)「今回の学習に生かせたこれまでの学びと今後に生かすことができる学びについて」
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この報告についての会員の意見。

・これまで紙ベースの教材しか作成してこなかったが、動画を使った授業プランも考えられるのではないか。
・ドラマの「アテレコ」のように、動画のセリフを考える授業もありうる。
・動画の、全員が同じスピードで「見とる」ことができる点はメリットである。
・動画の種類は、論理性を重視したもの、小説的な文学性を重視したもの、詩的なイメージを重視したもの、などが考えられる。
・表現描写に注目させるなど、小説の基本的な読解に使うこともできる。→そうではなく(答えが収斂されるものではなく)、拡散に使うほうが面白いのではないか
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新年会(2019年1月)

2019年02月12日(火)|by カプス管理2
1月の例会は毎年恒例の新年特別例会。京都でおこなわれた。当研究会・代表世話人の松井さんの語りをまとめる。

新しい思いのせて櫂をこぐー非連続の連帯へー

《2018 年6月23日におこなわれた沖縄全戦没者追悼式において、相良倫子さん(沖縄市立港川中学校3年) が自作の詩「生きる」を読み上げた。冒頭、その動画を見る。》

日本の政治は、教育は、彼女の小さな魂に応えているのだろうか。 来月、講演会がある。東大闘争の総括を、八鹿高校事件を、語る人物がいない。語らなければならない。

1.勇気こそ地の塩なれや梅真白(草田男)
我々は「地の塩」にならなければならない。山崎高校、予備校の教え子たちが現在40代。 教師をしていたころは、平和、平等、人権など、共通の地平があった。今はどうか。教師が変わらないと生徒は変わらない。

2.日常(職場・学校)の中の「空気」の圧力 ・「分」をわきまえろ という圧力がある。
・「国のために基地提供を甘受すべし」という圧力
・タレント・ローラの「政治的」発言に関する批判
・落合陽一・古市憲寿の発言(注1)…想像力の欠如である。
・「ヘタレ」根性 「だれかやるでしょう」という考えの者が多い。メディアも考えなくなった。ニュースキャスターも同じく。

3.次の「春」を立案するために
・動詞にこだわることの大切さ
 動詞がおとろえている。体験していかないといけない。
・「それでもあきらめない」(カミュ「シーシュポスの神話」)
・相良倫子さんの詩
・俳句弾圧 不忘の碑(注2) 金子兜太の揮毫による。「人間をコマみたいに扱われたこと」に対する怒り。
 夏の海水兵ひとり紛失す(渡辺白泉)

注1:『文學界』2019 年 1 月号での対談「『平成』が終わり、『魔法元年』が始まる」のなかで、落合、古市は「終末期医療、とりわけ最後の 1 カ月の医療は金の無駄だ、社会保障費削減のためにやめたほうがいい」という趣旨の発言をした。記事は「文春オンライン」にも転載(現在は削除)。

注2:戦時中の治安維持法の下、40人を超える俳人が検挙され、投獄されるなどした事件を忘れないとして、上田市古安曽に「俳句弾圧不忘の碑」が建立された。碑の文字は故金子兜太の揮毫による。建立の計画を進めてきたのは、フランス人で俳人、比較文学者のマブソン青眼。「無言館」館主でもある。

4.必読推薦図書
・『罪と罰』(ドストエフスキー)
・ 『異邦人』(カミュ)
・ 『細雪』(谷崎潤一郎)…戦時中、『細雪』は軍部から発禁処分を受けた。それはなぜか?
・『あなた』(大城立裕)…大城立裕は沖縄初の芥川賞作家。
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「学校」の意味とは?(2018年12月例会)

2019年02月12日(火)|by カプス管理2
学校の役割は変容してきている。そのようななかでも、学校なしに生徒を社会に放り出したら身につかない ものがある。それは何か。

・現在、勉強はスマートフォンで可能である。生徒のなかには、「スタディサプリ」等のサービスを使って学んでいる者もいる。「知識・技能を身につける」という意味での勉強は、学校なしでも可能である。

・教科書会社ではかねてから通信教育に力を入れている。学校がなくても、困ることはないのではないか。

・現在の学校制度は明治時代にできたもの。そもそもは富国強兵のためであった。

・損得勘定以外で、働く意味を考えさせるのが学校ではないか。 →損得勘定は、人それぞれでは?

・学校は集団で学ぶ。他者と出会う場所ではないか。 →学校は同年齢の同質的な集団である。多様性は、社会に出るほうが体感できるのではないか。 →同じ年齢でありながら、「異なる」と感じる他者と出会うことができる。

・教育は、民主主義の共同体の担い手(=市民)を育てることである。そのような社会の担い手を育てることが学校の役割である。知識・技能だけでなく、学ぶ力、探究する力、考える力を育てることが重要。

・「受験学力」だけでなく「人間学力」

・現代の知恵を次世代につなぐシステム。

・学校は社会の縮図である。集団のなかでうまくやっていくことを教える場である。人間関係やリーダーシップ、フォロワーシップを身につける場である。

・学校は失敗しても許される場。

・学校でしか教育はない。他の場面(社会、家庭)では「啓発」や「生涯学習」という。
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今後のカプスの活動は?②(2018年11月例会)

2018年12月10日(月)|by カプス管理2
改めて今後のカプスの活動をまとめていった。

1.単元を構想する。
 ・教科書教材や投げ込み教材を用いて、単元を構想する。
 ・教科横断の視点も入れる。
 ・さしあたり、大修館書店「現代文B」(現 B310)を用いて、構想する。
2.単元例や授業実践例を HP にアップする。
 ・授業のアイデアをアップする ※「国語教育アイデア集」(仮)
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これから求められる国語教育とは?(2018年11月例会)

2018年12月10日(月)|by カプス管理2
今後のカプスの活動を考えるために、まず次期学習指導要領のポイントを確認した。

【科目構成について】
1.必履修科目が「国語総合」から「現代の国語」「言語文化」に。
2.「論理」寄り、「実用的な国語」寄りになる。
3.「小説を読む」時間は減ると思われる。
4.現場としては、教科書次第か?(2020年度教科書検定、21年度採択・供給、22年度使用開始)

【授業時数についてー「読むこと」中心の国語からの脱却―】
①現行でも「授業時数の割合」で書かれているにも関わらず、現場では「読むこと」中心に授業がおこなわれている。
②「書くこと」単元や「話すこと・聞くこと」単元(つまり、それらを「(読むための)活動」ではなくて「指導事項」として設定している単元)を作っていることはあまり多くない。
  →これまで以上に、きちんと「書くこと」や「話すこと・聞くこと」の指導ができる必要がある。

【まとめ】
①目指す資質・能力を明確にした単元計画、それを積み上げた年間指導計画が必要。
②「まず教材ありき」の単元構想から脱却し、資質・能力(指導事項)ベースの単元構想が必須。
③「話すこと・聞くこと」「書くこと」の指導の充実が求められる。
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今後のカプスの活動は?(10月例会報告)

2018年11月04日(日)|by カプス管理2
今回の例会は、会員が事前に考えてきた意見をもとに、今後のカプスとしての活動について話し合った。

1.個人としてカプスに求めること、取り組みたいこと
・国語の授業について、教師として、ヒントを得られる場(悩み相談も含めて)
・国語教員との関わりを持てる場
・新しい情報(学校について、国語について)を知る場
・仲間を通じて、国語教育に関わる場
・自分の知識や経験を(若い会員等に向けて)伝える場
・読書会
・授業の実践発表
・指導プラン作成

2.カプスとして全員で取り組みたいこと
・「生き方 GET」の取り扱いを考える
・教材開発(新学習指導要領に向けて)
・教員の「読む力」を養う
・単元の指導プラン作成→実践→報告
・授業の実践報告
・「書く指導」(批判的思考)
・複数教材、現代文・古典横断の教材

センター試験が廃止され、共通テストが始まり、新学習指導要領が公示されるなど、国語教育は大きく変わりつつある。しかし、カプスが従来から取り組んできたこと(「イキのいい」教材開発、「生徒の心に火を灯す」 授業実践)は、今の教育改革を、ある点において先取りしていたのではないだろうか。

とはいえ、現場の国語教員は、様々な業務に追われ、授業力を養う余裕もない。そのような中で、カプスとしてどのような活動をおこなっていくのか。次回は、新課程の動向も踏まえて、引き続き議論を重ねていく。
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評価力を鍛える――自己満足授業からの脱却――(9月例会報告)

2018年11月04日(日)|by カプス管理2
資質・能力を育む授業の評価に関する報告があった。

従来の「何を教えるか→どう評価するか」という考えから、「ゴール(何ができるようになるか)→アセスメント→カリキュラム設計」という逆向き設計に発想を転換してく必要がある。

「活動をやりっぱなし」のアクティブラーニング、個人プレ ーで展開するアクティブラーニングに終止符を打ち、組織として、評価も併せて授業を設計するにはどのようにすればよいだろうか。

今回は検討材料として、「『富嶽百景』を読んだあと、太宰の他の短編小説を読み、それについてスピーチをする」という授業の評価について、会員で話し合った。

限られた時間で、同じ学年で授業を担当する2~4人で、共通の評価軸を持つにはどうすればよいのか。

1つの提案として、「ルーブリック評価表」を皆で作るというアイデアが出された。

従来型のペーパーテストのみで測る学力とは異なる力をどのように評価していくのか。今後の検討課題である。
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「共通テスト」に向けた対策は?(9月例会報告)

2018年11月04日(日)|by カプス管理2
再来年度から実施される「大学入学共通テスト」の国語問題に関する研修報告があった。 すでに昨年度実施の試行調査(プレテスト)等でも明らかになっている通り、共通テストの国語では、従来のセンター試験とは以下の点で大きく変わる。

・思考力、判断力、表現力を問う。
・記述式の解答 ・実用的な文章
・表やグラフ、図などの「非連続テクスト」
・複数のテクスト(現古融合など)

この報告を受けて、会員から出された意見は以下の通りである。

・読む能力は測れるのか。
・自己採点を正確にできる力がより求められる。
・全国学力テスト B 問題や日本語能力検定に近い問題となる。
・ベネッセの「中学総合学力調査」が参考になるのではないか。

共通テストは、現在の高校1年生が受験する。今からの授業改善をどのようにしていくのか、これから議論が必要である。
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今後の例会案内

2018年10月01日(月)|by カプス管理2
【2018年10月例会】
2018年10月28日(日)14:00~17:00 生田文化会館

1.松井仁代表からの宿題の検討
学校の役割は変容してきている。そのような中でも、学校なしに生徒を社会に放り出したら身につかないものがある。それは何だろうか。2つ考えてほしい。

2.今後のカプスについて
何を目標にしていくのか。ただ、集まるだけでは意味がない。各自が目指したいもの・やりたいことを考えてくる。


【2018年11月例会】
2018年11月11日(日)14:00~17:00 生田文化会館

松井仁代表参加予定。


【2018年12月例会】
2018年12月27日(木)18:00~20:00 生田文化会館
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松井仁さんが語る【2018年8月特別例会】

2018年09月04日(火)|by カプス管理2
8月 14 日、京都すいしんにて特別例会がおこなわれ、松井さん含む 10 人が参加した。松井さんの語りをまとめる。

1.基本的スタンスとして、ルイ・アラゴンのメッセージ 「教えるとは希望を語ること 学ぶとは誠実を心に刻むこと」ただし言葉を安易に使うのは愚行。偉人の言葉を使うには背景知識を知ってから、学んでから使うべきである。

2. 気になること、気にしなければならないこと
  「○は熱いうちに打て」巷には○に当てはまる言葉がわからない若者がいる。今、「アクティブ・ラーニング(AL)」と いう言葉が一人歩きし、「知識は不要。必要なものは AL」という空気感。知識あっての AL ではないのか?なぜ、二項対立として捉えられてしまうのか?はなはだ疑問である。
   高校野球優勝旗のデザイン――なぜ? 夏の甲子園 100 回記念として、優勝旗の新調が行われた。「VICTORIBUS PALMAE(勝者に栄光あれ)」という文字と朝日と月桂冠に囲まれた「鳥」の図柄。その「鳥」の正体が「ハト」な のである。「ハト」は平和の象徴のはず。違和感を覚えずにはいられないが、どうも「難癖をつけられる前に、事前に回避しておこう」という雰囲気が漂っている。

3.教師として依拠すること
 「学校なしに子供を街中に放り出しておいては身につかないもの」とは? →松井さんが次の例会に来るまで(11 月辺り)に考えておくこと
 「学び続ける教師」であれ 予測不可能な現代において、日々授業の改革が求められている。しかし、現場は保守的で他人事。 危機感を抱かずにはいられない。カプス会員はそのもどかしさ、怒りを忘れずにぶつけていくこと。
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