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松井さんの“括” 原点に返るべし―言語技術の訓練、教師の変革(2020年8月例会)

2020年09月01日(火)|by カプス管理2
現代文を学ぶとはどういうことか。

言語技術の獲得の訓練をする、読み方を身に着けさせ、社会構造への視点を伸ばす。それが現代文である。投げ込み教材等で深める前に、言語技術の訓練をしないといけない。

そして定義づけ。「グローバル化」「グローバリズム」と、資本主義化である「グローバリゼーション」はまったくちがう。(M. ガブリエル=齋藤幸平『未来への大分岐』)

現代文の授業とは何か、現代文の教師とは何か。まずは原点に返り、「他人の靴を履く」(ブレイディみかこ)こと。

そうでないと「エンパシー」はありえない。 生徒がどう変わって、教師自身がどう変わるのか。実践なくして変革はない。
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今を考えるための教材 ―コロナ禍を考える 萱野稔人『ナショナリズムは悪なのか』(2020年8月例会)

2020年09月01日(火)|by カプス管理2
コロナ禍の今だからこそ生徒に読ませたい「今を考えるための教材」。

「自粛要請に従う」「自粛警察」など、コロナ禍の日本がフーコーの言う「生権力による統治」の典型となっていることから、萱野稔人『ナショナリズムは悪なのか』より、フーコーの「規律・訓練」を解説した文章を提案。

人々が 「常に監視されている」ことで服従的になるありさまは、学校制度そのものでもある。

会員からは、教室で読ませることは「ヒヤヒヤする」という意見の一方、「集団行動」などで学校制度に従順になっている(三浦雅士『身体の零度』)生徒には意識的にあってほしい、という意見も。

また、独メルケル首相のスピーチや青森県の貼り紙のニュースも関連させられるという意見も出た。さらに、単発で投げ込むよりも、教科書教材と組み合わせられないか、という提案が出た。
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多木浩二『世界中がハンバーガー』教材検討(2020年8月例会)

2020年09月01日(火)|by カプス管理2
複数教材の検討をおこなった。

いま現場の授業では、1つの教材を読んで終わり、次は別の教材、 という形で、教科書教材を単発で扱うことが多い。しかし、1つの教科書教材に関連する(類する/反する)教材を合わせて読ませることで、読み方を教えるとともに、テーマを深め、考えを広がることができる。

また、新学習指導要領の科目「論理国語」などでは、 複数の文章を解釈したりまとめたりすることが指導事項となっており、共通テストでもそのような形式で出題される見込みである。

こういった背景から、最近の例会では、ある教材を取り上げ、それに関連する文章を会員で持ち寄り、検討することを試みている。 今回、取り上げた教材は、多木浩二『世界中がハンバーガー』。グローバル化に関するものとなった。 コロナ禍のなかでグローバル化はより実感の湧きやすくなったとも いえるが、何がグローバルで何がローカルなのか、普遍化・固有化 の問題は依然として起きている。

○渡辺靖『〈文化〉を捉え直す』(広島大学2017年入試より)

○東浩紀「『思想地図β』創刊に寄せて」(コンテクチュアズ、2011)
 住原則也『「グローバル化」の中の異文化理解』
 世界のマクドナルドのメニュー(補助資料)

会員からの意見

・読み合わせは、抽象的な内容が、別のテキストによって繋がり、 生徒が実感を持てることがおもしろい。
・まずは教科書で読解力をつけて、それから発展学習で深めることが大事。

→これらの意見をもとに、2学期に実践予定である。
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演劇的手法を用いた授業案 住野則也『「グローバル化」の中の異文化理解』(2020年8月例会)

2020年09月01日(火)|by カプス管理2
オンライン例会も4回目。

今回は、演劇的手法を用いた授業提案から。

演劇的手法とは、ある立場に立って考える、という演劇のプロセスを重視する手法で、話し手と聞き手に分かれることで擬似的な「ライブ感」が出て、内容の理解を深めることができる、などのメリットがある。文章を読めることが社会に繋がることを実感させたいという思いから、教科書教材である住野則也『「グローバル化」の中の異文化理解』を主テクストとして提案した。

この提案に対して会員から、
・「自分が授業をするなら」という視点で、意見や改善案、課題が述べられた。
・単に1つの文章を読んで終わりという形ではなく、そこからどう考えられるかと発展する可能性がある、全員が体験する意義がある。

という意見の一方、発表形式やグループ編成の改善案、評価の問題などの課題も指揮された。

これらの意見をもとにもう一度練り直し、冬に授業を実施予定ということである。
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多木浩二『消費されるスポーツ』教材検討(2020年7月例会)

2020年08月10日(月)|by カプス管理2
前回に引き続き、実践予定教材、多木浩二『消費されるスポーツ』に関連して、複数教材の検討をした。

事前に、4人から教材案が提出された。

雑誌記事『現代スポーツ評論』
 「スポーツを消費すること」について別の視点で考えることができる題材にならないか、という観点で選んだもの。スポーツにおける寛容さや偶然性を論じている。

新聞記事『朝日新聞』、雑誌記事『Number』、ツイッター(大迫傑選手)など
 「スポーツの消費者/被消費者の関係から、生産者/愛好者/支援者の関係へ」をテーマに、新聞記事、ツイッタ ー等の文章を読ませる。甲子園の問題など、生徒にとって身近なテーマの題材や、ソーシャルメディアを利用した新しいスポーツのあり方を紹介したものも。

國分功一郎『暇と退屈の倫理学』、若林幹夫『「誰か」の欲望を模倣する』、橋本努『ロスト近代』
 「消費」を理解するための文章。消費の構造や、欲望の構造を知ることで、本文の読解の助けとし、さらに消費 社会以降の現代を考えるための視座に。

森博嗣『お金の減らし方』
 本文に即した「スポーツとメディアの結びつき」のほか、「消費と生産」、消費と結びついてるもの、自分とお金との理想の関係などについて、グループで考える。

《会員からの意見》
・「理解する」レベルの読解力はある生徒。それを生活実感・感覚として落とし込めるようにしたい、
・現代文の授業では、むしろ生活とは異なる知のあり方に違和感を覚えてほしい(それが教養、知への入り口)。
・効率を求める気持ちが強い受験生。その現状の中で自分が面白いと思う文章を与えることだけで、果たして生徒が変容するのかと思う(何かの仕掛けがいるのではないか)。
・高校生は「あたまでっかち」で実感を伴わなくても「わくわく」するような体験をしてほしい。
・集団で同じ場で学んでいるからこそ、学びが促されるのではないか。

松井仁(当研究会代表世話人)より
・生徒に変化を促す。定義付けをしっかりして、知の背景を教えることが大事。現代文はこんなにおもしろいんだ、ということを示さないといけない。
・常識にどっぷりつかっている生徒から、常識論、通俗的道徳を、1枚1枚剥がしていき、戦っていくのが高校の現代文。そうすると生徒が「え! そうなんや!」という意外性に出会う。それが学びへの楽しさへ。
・やさしい教材で、価値観を揺るがす。授業では教師の人生観、世界観が出る。希望を埋め込んでほしい。

○参考図書
・加藤周一「オリンコーラ」
・多木浩二『スポーツを考える』
・三浦雅士『考える身体』『身体の零度』
・橋本努『自由に生きるとはどういうことか』
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「精神的な密」を!(2020年7月例会)

2020年08月10日(月)|by カプス管理2
今回もオンラインでの開催となった。

当研究会代表世話人の松井仁よりの熱いメッセージ。

(1)黒人差別問題についてー“Black Lives Matter”をどう訳すか?―
 「黒人の命は」か、「黒人の命も」か、「黒人の命こそ」か。メディアは「も」を使っているが、それではぼやけてしまう。ある人が「黒人の命を軽く見るな」と訳していたが、もっといい訳があるかもしれない。黒人問題の歴史的背景も含めて、助詞一つで現代文と古文を教えることができる。これを材料にしながら授業ができないだろうか。

(2)教師教育論
 コロナ禍での教育論は、授業時間の確保、行事の削減、今まで通りのオンライン授業など、ずれていないだろうか。もう一度立ち止まって考えてみる必要がある。
 学校で教える本質は何か。その本質を教師が共有しているか。「群れ」である生徒は、行事を通して「集団」に変わる。身体的な密ではなく、精神的な密を考えるべき。
 大阪の私学(進学校)で、コロナ後の世界でいるもの・いらないもの、を討議させたところ、「いらない」の筆頭は教師だと生徒が言ったそうだ。
 今こそ、教育の本質を議論すべきである。
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オンライン教材共同研究(2020年6月例会)

2020年08月10日(月)|by カプス管理2
オンラインによる共同での教材研究についての報告があった。

遠方の研究仲間と「Google Jamboard」というサービスを使って共同で教材研究を実施。

「漁夫之利」や『羅生門』について、「教材で指導できること」「内容価値や技能価値」 等について、ウェブ上で付箋を貼りながら考えを深めていった。

「Google Jamboard」は無料で利用でき、教材研究だけでなく、オンライン授業でも活用できる可能性がある。
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教材としての価値(2020年6月例会)

2020年08月10日(月)|by カプス管理2
コロナウイルス感染拡大防止のため、5月に続いてオンラインでの開催となった。

実践予定の教材についての、教材的価値、教材とし ての扱い方・問題点、複数テキストに適した文章等について、ア イデアを出し合った。

対象は高校1年生国語総合(現代文)。コロナで年間計画が見通せないが、2学期以降に取り上げたいと考えている。

《吉田秀和『ヘンデルと力士』について》
・普遍と個の往還が面白いと感じている。
・「アイネ・クライネ~」など音楽の素養がない生徒にとっては、何のことかわからないのではないか。
・曲を、教材を読む前に聞かせるのか、後で聞かせるのか?
・YouTube など、自分の興味があるジャンルしか見ないという生徒に、どうやって迫らせていくのか?
・社会的共有知、教養が失われて久しい現在だが、現代文の文章を通して、世界を広げてほしい

《多木浩二『消費されるスポーツ』について》
・テニスの「タイブレーク」など、メディアによって、面白くなるからスポーツのルールが変わる、という指摘が面白い。自分がやっている身近なスポーツが、消費の対象になっている、ということを考えさせたい。

○「消費」を考えるために
・『生き方GET Vol.4』より「巨額を稼ぎ出すハローキティの生態」を読ませる。
・まずは、消費に関するイメージを生徒が持てるように、生徒の生活実感のなかから引き出すようにしたい。
・「消費される」というタイトルが、「消費」に否定的な印象をもたせるが、現在において、もはや「消費」は否定的なものとして捉えられるのではなく、われわれは消費とともに生活している。

○身体論を考えるために
・・鷲田清一『普通を誰も教えてくれない』(東大過去問1999より)
・特に受験生であれば、現代文頻出テーマの身体論を合わせて教えたい。

○オリンピックとナショナリズムを考えるために
・阿部潔『スポーツとナショナリズム』、加藤周一『オリンコーラ万歳』(『JIN式入試現代評論の技法』より)
・スポーツとナショナリズム、時事的な東京オリンピックの問題を批判的に考えさせたい。

○現代のメディアとスポーツを考えるために
・・インターネットメディアとスポーツの関係を調べて考える。
・原文は1995年出版で、「テレビ」で終わっており、メディアの捉え方に古さがある(生徒はテレビを見ない)。
・歴史という観点から、インターネットの発達した現代、あなた達はどう捉える?というような、自分たちが具体例 をあげてみる発展的な課題を与える。

○会員からの意見
・スポーツイベントと置き換えていけば時代性の問題はクリア。
・「する、見る、支えるスポーツ」という、社会体育から社会スポーツへの流れを理解して授業をしたい。
・「eスポーツ」はヒントになる。(NHK『逆転人生』2020.6.8)
・スポーツと「消費(+メディア)」を中心に、これからどうあるべきかを考えさせて、書かせていきたい。
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コロナ禍 オンライン会議実施!(2020年5月例会)

2020年05月15日(金)|by カプス管理2
コロナ禍に揺れる世界。第222回例会は、カプス史上初のオンライン会議となった。

例会までに数回、LINE、チャットワーク、Zoomを使ってオンライン会議のテストを実施。当日を迎えた。

第1部はLINEのビデオ通話をつなぎ、久しぶりに「顔が見える」状態で13人が参加。

会場をZoomに移した第2部では、11人が参加し、 各校のオンライン授業について、取り組みの意見交換をした。

Google、Office、Zoom、YouTube、Classi、スタディサプリなどの各種オンラインサービスを使った支援、郵送によるやり取りが始まっている学校もある。

しかし、取組状況は各校(公立・私立)による差が大きく、生徒のオンライン環境、使用機器など、ハード面での困難も立ちはだかる。

学校再開をどうするのか? 学習評価 (特に高 3生)をどうするのか?  大学入試は? など、課題山積である。
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今後の例会について

2020年03月21日(土)|by カプス管理2
【2020年3月例会】
会場の都合などにより、中止となりました。お詫び申し上げます。

【2020年4月例会】
4月12日(日)14:00~17:00 生田文化会館

【2020年5月例会】
5月10日(日)14:00~17:00 生田文化会館
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