実践報告

人権学習でカプス教材を使う(2月例会報告)

2020年03月20日(金)|by カプス管理2
人権学習の実践報告があった。

勤務校で、「障害者の問題を通して人権を考える」というテ ーマで、担任それぞれが独自の教材で授業をおこなうこととなった。

《テーマ》いのちのあり方について考える
《教材》島薗進『いのちを“つくって”もいいですか?』
《目標》
2013年より母体をほとんど傷つけることなくダウン症の子の出生前診断ができるようになっている。このような現実について考えることを通して、自身の価値観と向き合わせ、他者の意見にもふれながら、自己理解を深める。
《展開》
1時間目は、教材を読んで「あなたは「“いのち”を選ぶ」ことができるようになっている現実をどのように考えますか? 400字以内で答えなさい」に取り組む。
2時間目は生徒の回答を読み、回答についての考えを書いたり、意見交換・発表をしたりする。
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新聞投書で意見表明(2019年12月例会報告)

2019年12月31日(火)|by カプス管理2
国語表現の新聞投書に関する実践報告があった。

【授業の実際】
1.新聞投書を読み、特徴をつかむ。10代の投書を読む。
2.テーマ、構想メモを書く(探究のテーマや、世の中、社会について「おかしいな」と感じていること)
3.下書きを書き、批評しあって推敲する。
4.推敲した原稿を「Google フォーム」で提出する。
5.メールで新聞社に投稿する。
6.成果
 ・社会問題に目を向けるきっかけとなる
 ・「世の中(で起きている問題)に対して意見を発信する」という経験となる
 ・外部評価(教員による評価とは異なる評価者)
  →90 人ほどの生徒が投稿し、6件が掲載(朝日新聞、読売新聞)
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『こころ』の実践(2019年10月例会報告)

2019年12月31日(火)|by カプス管理2
「こころ」の実践経過報告があった。

【目標】
1.一人称小説を読み解くことで、語り手を通してみた人物の心情を考えることができる。
2.自分たちで主体的に小説を読み解くことができる。(学習者ベース)
3.小説を読んで、問いを設定し、その答えを論述することができる。(探究ベース)

『こころ』の教材的価値とは何か? → なぜ、「いま」、「国語の時間で」、「こころ」を読むのか?
1.謎が多い作品を読むことで、一義的に定まらない解釈を考えることができる。
2.一人称の小説ならではの読み方ができる。(「語り手=私」の目を通してみた「K」の心情を考える)
3.作品をとおして、人の生き方についての考えを深めることができる。
4.小説の読み方を教えることができる。(象徴表現、情景描写、物語の展開、人物の心情)
5.長編小説を読むという経験(読書教育的な意味)
6.文豪の名作(古典)を読むという経験(教養的な意味)

【授業の展開】
内容読解(6時間) → 自分が考えたい問いを設定 → 小論文を書く

○毎回の授業スタイル
1人でプリントの問いを考える → 自由に歩いて相談・共有・チェック → ノート提出

○成果と課題
・一人ひとりの読みを確認しながら読解できる。(26人対象だからできること)
・相談、共有によって、誰もが読みを進められる。(「食いつき」はかなりよい)
・通読の難しさ

○会員からの意見
・授業中に読ませる工夫もある。
・読書指導は積み重ね。いきなり読むことはできない。
・生徒は共感する。心理を読み解く方法を教える上で、優れている作品である。
・小説でなければ考えられないことがある。
・内容読解は、もっと絞ってもよいのではないか。
・大きな問いを立て、ざっくり読解してから、細かい確認をしてもよいのではないか。
 →逆に、共通の土台を丁寧に確認して、それから探究的問いに向かうほうが、誰もが参加できる。
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『羅生門』の実践(2019年7月例会報告)

2019年12月31日(火)|by カプス管理2
『羅生門』の実践報告があった。

・対象 1年生40名
・ねらい 本文全体を再読して再構築させる
・展開 全6時間

授業の最後に、「下人の「ひとりごと」――引剥ぎをするにいたった心境」を500字で記述させたもの。高木・
大滝編著『アクティブ・ラーニングを取り入れた授業づくり』にとりあげられていた、神奈川県の高校での実
践を参考にしながらおこなった。

これまで、授業時間を長くかけていた「羅生門」の授業を、5時間+記述1時間で、テンポよく終わらせることができた。また、生徒は楽しそうに記述問題に取り組んでいた。さらに、記述の中には、生徒それぞれの「引剥ぎを行う動機」が描かれており、興味深い違いが見られた。

会員からは以下のような意見が出された。
・あらすじ、授業を聞いていたかどうかの確認として使える。
・何を教えるか、という設定、それに合わせた評価の観点の設定の仕方を考える。
・進学校の生徒に合った授業を考えること。
・基礎基本をおろそかにしないようにすること。
 「羅生門」には、小説の教え方がぎっしり詰まっている。それを教えることの優先度が高い。
・授業では、どの小説をよんでも使えるスキルを指導するべき
 →カプスの活動として、読解のポイントをまとめていきたい
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早く、正確に読む授業の実践(2019年5月例会報告)

2019年07月21日(日)|by カプス管理2
今回は、高校1年生を対象にした『水の東西』の授業報告があった。
2時間で授業を終える、という課題を自らに課し、授業を行った。


【1時間目】
〈授業の流れ〉
1.説明
2.2分で黙読
3.200 字要約
〈板書の説明〉
・授業で身につけること「初見の文章を、早く、正確に読む力をつける」
・評論の要約の仕方
・評価の観点

【2時間目】
〈授業の流れ〉
1.ペアで音読
2.前回のノートに記した評価規準をもとに、配付した4本の要約を評価する。

【会員からの意見】
1.キーワードやキーセンテンスの見つけ方はどのように指導するか。
〈キーワードの見つけ方〉
  タイトル、カギカッコ、二項対立、繰り返される言葉に注目する
2.線引きをさせながら読ませる意義は何か。
   線引きは、読めない生徒にとっては、文章の整理をするためのきっかけとなる。
   読める生徒によっては、文章の読み方を意識化するためのきっかけとなる。
3.(進学校では)読み方を決めつけて指導するのではなく、ある程度の幅をもたせて指導したほうがよい。
4.まずは「早く読む」ための指導を行う。(高3で分速 2000 字、高 1 で分速 1500 字、が目標)
 
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「まわし読み新聞」授業実践【6月例会報告】

2018年07月29日(日)|by カプス管理2
【第205回(2018年6月16日)例会報告 1】

授業報告があった。

農業高校で、「まわしよみ新聞」の授業をコー ディネートする予定。

朝日新聞記者による「新聞読み方講座」を受けた生徒が、「まわしよみ新聞」作成に臨む。授業にあたっては、新聞を編集することをポイントにする。編集作業によって、多様な意見をまとめていく力を育むことができるのではないか。

さらに国語 表現の授業でおこなうにあたり、評価方法も工夫して いく。 なお、授業の様子は 7 月 3 日付けの朝日新聞(教育面)に掲載。朝日新聞インタ―ネットサイトには、授業の様子を撮影した動画もアップされている。
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『夢十夜』をジグソー法で(第202回 2018年2月3日 例会報告)

2018年02月12日(月)|by カプス管理2
授業実践報告は、夏目漱石『夢十夜』より「第一夜」が教材。昨年度、研修報告として校内で おこなった研究授業である。この授業はジグソー法という手法に焦点を絞った研究授業である。

回は、「「百年はもう来ていたんだな」と男が気づいたのはなぜか」というメイン課題を解決するために、「百合」の意味、男が「白い花弁」に接吻した意味、女と男の約束の意味、という3つの課題を別々に考え させた。生徒には「1人では解決できなかった課題を、他者と協働することで解決する」という実感を持たせた。

会員からは、次のような意見が出された。

・『夢十夜』を扱う意義とは?
→やはり男目線。習作にすぎないのでは?
→象徴表現など、小説技法を教える際に有効。

・答えありきの閉じた課題でジグソー法をしても面白くない。オープンな問いに向かわせたほうがよい。
・「百合」の意味とは?
→「百年・合(逢)う」という解釈は正しいのか?
→「漱石が見た百合はどんなものだろう」などと発展させると可能性が広がる。
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「よい授業」とは?―計画・テンポ・学び合い・音読(第200回 2017年12月 例会報告)

2017年12月24日(日)|by カプス管理2
会員が実践した、中1の故事成語「矛盾」と漢文の読み方の授業録画を見て討議した。

グループ学習を中心として、とてもテンポのよいものであった。

実践者のふりかえり、および会員の意見は以下の通りである。

[全体について]
・年間指導計画、単元計画、本時の計画と、先が見えている設計をしている。
・授業前に本時の目標と問題を板書しておき、「やるべきこと」が分かるようにしている。
・時間設計を明確にしておき、テンポを重視している。
・「全員が一度に分からなくても全くかまわない」というスタンスで臨む。むしろ繰り返しが大事。中1か ら中3まで、毎年同じことを繰り返す。

[音読について]
・音読はあえて早めに読むことで、定着率を上げることができる。 演出家が新人俳優にセリフを教える際には、スピードを重視し、身体で覚えさせるそうだ。 「3回連続早口で言えるようにできる」まで覚えさせるという工夫もできる。

[主体的・対話的な学びについて]
・グループワーク中心で、教え合い、学び合いが自然と生まれるようにしている。
・学力については、教えることで、特にトップ層が伸びる。むしろ下位層が「分かった気になる」ことで 伸びにくい。そこには小テストを繰り返しおこなうことでケアをしている。
・学年の全てのクラスで、週1回席替えをしている(エクセルの自動席替えを使用)。他教科でも協同学習が盛んになっているので、固定化されないペア、グループを目指す。また、いろいろな人と関わることによるコミュニケーション能力の育成を目指している。
・生徒を指名することで、自分ごととして授業に参加させ、フリーライダーをうまないようにしている。
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多くのことを問うものは、多くのことを学ぶ(第199回 2017年11月 例会報告)

2017年12月24日(日)|by カプス管理2
今回は、授業実践報告があった。9 月におこなった3年生の現代文 A の授業で、「生徒が質問を作る『質問づくり』によって、茨木のり子『六月』を読む」という授業である。カプスでも紹介された『たった一つを変えるだけ』(ダン・ロスステイン、ルース・サンタナ著)を参考におこなった。 大まかな流れは以下の通り。

作品を読む→初読の感想を書く→個人で質問をふせんに書く→グループで質問を共有する→質問を分類する→「作品を深く理解するためにもっとも重要な質問」をグループで1つ選ぶ→その質問を全体で共有→個人で改めて作品を読む→作品の感想を書く

研究授業時の授業ビデオを観ながら検討したが、「質問づくり」をする過程で、定時制の生徒が懸命に教材を読む姿が印象的であった。「質問づくり」の手法は、生徒が主体的に教材に向き合い、読みが深まるという効果がある。一方、質問自体をどのように評価するか?「いい質問」とはどのようなものか?などの課題が残された。
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高橋源一郎『丘の上のバカ 僕らの民主主義なんだぜ 2』(実践報告)

2017年06月11日(日)|by カプス管理2
第193回例会(2017年5月28日)で、高橋源一郎『丘の上のバカ 僕らの民主主義なんだぜ 2』を素材にした実践について、活発な意見が交わされました。

素材内容は、鶴見俊輔の息子との対話(「おとうさん、自殺をしてもいいのか?」に対する応答 『教育再定義の試み』)を引用して、高橋源一郎が意見を述べた部分(P176~184)で、中学2年生を対象にして実践されました。

生徒は一心に読み、解答も様々で、「本当の知性」とは何か、「正義」とは何かを考えさせるいい教材だった、と実践者は感じたそうです。

以下のような建設的な意見が出て、今後、違う生徒を対象にした継続的な実践が必要だという結論になりました。

・意見の分かれる設問で考えを深めさせるためには、新たに問いを設定したほうが良いのではないか。
・「最も強く印象に残る一文を抜き出す」という現行の問いを、「本当の知性」というテーマに絞って考えさせる問いにすることで、生徒の意見が焦点化するのではないか。
・「鶴見さんの思考回路」に傍線を引いて、「鶴見さんの思考回路は、どんなものか」という問いが立てられるのではないか。
・今後の入試を踏まえて、80字で要約させる問いを入れておくことがよいのではないか。
・鶴見のこの文章は、「生き方GET」所収の『犠牲(サクリファイス)』(柳田邦男)にも引用されていた。ということは、力のある文章だということだろうが、今後ほかの生徒層でも実践してみることが必要だ。
 
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