実践報告

早く、正確に読む授業の実践(2019年5月例会報告)

2019年07月21日(日)|by カプス管理2
今回は、高校1年生を対象にした『水の東西』の授業報告があった。
2時間で授業を終える、という課題を自らに課し、授業を行った。


【1時間目】
〈授業の流れ〉
1.説明
2.2分で黙読
3.200 字要約
〈板書の説明〉
・授業で身につけること「初見の文章を、早く、正確に読む力をつける」
・評論の要約の仕方
・評価の観点

【2時間目】
〈授業の流れ〉
1.ペアで音読
2.前回のノートに記した評価規準をもとに、配付した4本の要約を評価する。

【会員からの意見】
1.キーワードやキーセンテンスの見つけ方はどのように指導するか。
〈キーワードの見つけ方〉
  タイトル、カギカッコ、二項対立、繰り返される言葉に注目する
2.線引きをさせながら読ませる意義は何か。
   線引きは、読めない生徒にとっては、文章の整理をするためのきっかけとなる。
   読める生徒によっては、文章の読み方を意識化するためのきっかけとなる。
3.(進学校では)読み方を決めつけて指導するのではなく、ある程度の幅をもたせて指導したほうがよい。
4.まずは「早く読む」ための指導を行う。(高3で分速 2000 字、高 1 で分速 1500 字、が目標)
 
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「まわし読み新聞」授業実践【6月例会報告】

2018年07月29日(日)|by カプス管理2
【第205回(2018年6月16日)例会報告 1】

授業報告があった。

農業高校で、「まわしよみ新聞」の授業をコー ディネートする予定。

朝日新聞記者による「新聞読み方講座」を受けた生徒が、「まわしよみ新聞」作成に臨む。授業にあたっては、新聞を編集することをポイントにする。編集作業によって、多様な意見をまとめていく力を育むことができるのではないか。

さらに国語 表現の授業でおこなうにあたり、評価方法も工夫して いく。 なお、授業の様子は 7 月 3 日付けの朝日新聞(教育面)に掲載。朝日新聞インタ―ネットサイトには、授業の様子を撮影した動画もアップされている。
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『夢十夜』をジグソー法で(第202回 2018年2月3日 例会報告)

2018年02月12日(月)|by カプス管理2
授業実践報告は、夏目漱石『夢十夜』より「第一夜」が教材。昨年度、研修報告として校内で おこなった研究授業である。この授業はジグソー法という手法に焦点を絞った研究授業である。

回は、「「百年はもう来ていたんだな」と男が気づいたのはなぜか」というメイン課題を解決するために、「百合」の意味、男が「白い花弁」に接吻した意味、女と男の約束の意味、という3つの課題を別々に考え させた。生徒には「1人では解決できなかった課題を、他者と協働することで解決する」という実感を持たせた。

会員からは、次のような意見が出された。

・『夢十夜』を扱う意義とは?
→やはり男目線。習作にすぎないのでは?
→象徴表現など、小説技法を教える際に有効。

・答えありきの閉じた課題でジグソー法をしても面白くない。オープンな問いに向かわせたほうがよい。
・「百合」の意味とは?
→「百年・合(逢)う」という解釈は正しいのか?
→「漱石が見た百合はどんなものだろう」などと発展させると可能性が広がる。
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「よい授業」とは?―計画・テンポ・学び合い・音読(第200回 2017年12月 例会報告)

2017年12月24日(日)|by カプス管理2
会員が実践した、中1の故事成語「矛盾」と漢文の読み方の授業録画を見て討議した。

グループ学習を中心として、とてもテンポのよいものであった。

実践者のふりかえり、および会員の意見は以下の通りである。

[全体について]
・年間指導計画、単元計画、本時の計画と、先が見えている設計をしている。
・授業前に本時の目標と問題を板書しておき、「やるべきこと」が分かるようにしている。
・時間設計を明確にしておき、テンポを重視している。
・「全員が一度に分からなくても全くかまわない」というスタンスで臨む。むしろ繰り返しが大事。中1か ら中3まで、毎年同じことを繰り返す。

[音読について]
・音読はあえて早めに読むことで、定着率を上げることができる。 演出家が新人俳優にセリフを教える際には、スピードを重視し、身体で覚えさせるそうだ。 「3回連続早口で言えるようにできる」まで覚えさせるという工夫もできる。

[主体的・対話的な学びについて]
・グループワーク中心で、教え合い、学び合いが自然と生まれるようにしている。
・学力については、教えることで、特にトップ層が伸びる。むしろ下位層が「分かった気になる」ことで 伸びにくい。そこには小テストを繰り返しおこなうことでケアをしている。
・学年の全てのクラスで、週1回席替えをしている(エクセルの自動席替えを使用)。他教科でも協同学習が盛んになっているので、固定化されないペア、グループを目指す。また、いろいろな人と関わることによるコミュニケーション能力の育成を目指している。
・生徒を指名することで、自分ごととして授業に参加させ、フリーライダーをうまないようにしている。
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多くのことを問うものは、多くのことを学ぶ(第199回 2017年11月 例会報告)

2017年12月24日(日)|by カプス管理2
今回は、授業実践報告があった。9 月におこなった3年生の現代文 A の授業で、「生徒が質問を作る『質問づくり』によって、茨木のり子『六月』を読む」という授業である。カプスでも紹介された『たった一つを変えるだけ』(ダン・ロスステイン、ルース・サンタナ著)を参考におこなった。 大まかな流れは以下の通り。

作品を読む→初読の感想を書く→個人で質問をふせんに書く→グループで質問を共有する→質問を分類する→「作品を深く理解するためにもっとも重要な質問」をグループで1つ選ぶ→その質問を全体で共有→個人で改めて作品を読む→作品の感想を書く

研究授業時の授業ビデオを観ながら検討したが、「質問づくり」をする過程で、定時制の生徒が懸命に教材を読む姿が印象的であった。「質問づくり」の手法は、生徒が主体的に教材に向き合い、読みが深まるという効果がある。一方、質問自体をどのように評価するか?「いい質問」とはどのようなものか?などの課題が残された。
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高橋源一郎『丘の上のバカ 僕らの民主主義なんだぜ 2』(実践報告)

2017年06月11日(日)|by カプス管理2
第193回例会(2017年5月28日)で、高橋源一郎『丘の上のバカ 僕らの民主主義なんだぜ 2』を素材にした実践について、活発な意見が交わされました。

素材内容は、鶴見俊輔の息子との対話(「おとうさん、自殺をしてもいいのか?」に対する応答 『教育再定義の試み』)を引用して、高橋源一郎が意見を述べた部分(P176~184)で、中学2年生を対象にして実践されました。

生徒は一心に読み、解答も様々で、「本当の知性」とは何か、「正義」とは何かを考えさせるいい教材だった、と実践者は感じたそうです。

以下のような建設的な意見が出て、今後、違う生徒を対象にした継続的な実践が必要だという結論になりました。

・意見の分かれる設問で考えを深めさせるためには、新たに問いを設定したほうが良いのではないか。
・「最も強く印象に残る一文を抜き出す」という現行の問いを、「本当の知性」というテーマに絞って考えさせる問いにすることで、生徒の意見が焦点化するのではないか。
・「鶴見さんの思考回路」に傍線を引いて、「鶴見さんの思考回路は、どんなものか」という問いが立てられるのではないか。
・今後の入試を踏まえて、80字で要約させる問いを入れておくことがよいのではないか。
・鶴見のこの文章は、「生き方GET」所収の『犠牲(サクリファイス)』(柳田邦男)にも引用されていた。ということは、力のある文章だということだろうが、今後ほかの生徒層でも実践してみることが必要だ。
 
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「生徒の本音」とは?「力のある教材」とは? (第191回 2017年3月18日 例会報告)

2017年04月08日(土)|by カプス管理2
今回は、全国大会の発表原稿を検討した。

「本音を引き出す教材開発~国語表現における AL 型の提案」と題した発表原稿は、「いのちを“つくって” もいいですか」「ままならないから私とあなた」「世界の果ての子どもたち」「ヒーロー!」の4本の実践を もとに、「力のある教材に価値観を揺さぶる問いを掛け合わせると、生徒は本音を語り出す」という趣旨のものである。

会員からは、「「本音」とは何か」「「力のある教材」とは何か」という疑問が呈され、カプスの方向性その ものを問い直すような議論がおこなわれた。出された意見の一部は以下の通り。

・生徒の「本音」とは、パターン化・定型化された、空気を読んだ発言ではないような意見ではないか

・自分にとって切実な問いこそが、「主体的」に向かわせることになるのではないか

・「いま感じていること」を問い直させるような教材が必要ではないか

・『BEST 版』を再読すると、ヒントが見えてくる

次回以降、さらに修正をおこない、検討する予定である。
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【実践報告】生徒の「ゆさぶり」を促すしかけとは?(第190回 2017年2月26日 例会報告)

2017年03月20日(月)|by カプス管理2
今回は3人の実践報告がおこなわれた。

石黒浩の『アンドロイドは人間になれるか』を教材に実践。実践方法の紹介をした。生徒に 配付する原稿用紙に「コメント欄」を設けて「回し読み」をさせる、というものである。生徒は他の人が書いた文章を読み、そこにコメントを書いて、さらに回す。それを何度か繰り返すと、数人のコメントが書か れた原稿用紙が手元に戻ってくる。さらにそのコメントを読んで、振り返りを書く。これにより、他者の意 見をリアルタイムで知ることができ、また他者意識を持った文章を書くことができる。さらに、授業のユニ バーサルデザインの観点からも有効、相互評価や自己評価が可能になる、というメリットもある。さまざまな授業でも応用できる取り組みであった。

伊勢田哲治の『マンガで学ぶ動物倫理』を教材に実践。「人間の嗜好品のために動物の命を奪ってもよいか?」という本文の問いをもとに考えさせた。生徒の反応が分かれ、活発な議論もできたが、会員からは、「道徳」的な考えに着地したのではないか?という意見が出た。 それを揺さぶるために、カズオ・イシグロ『私を離さないで』などの教 材と組み合わせるという提案が出された。

全国大会の発表に向けて、白岩玄の、学校のいじめをテ ーマにした小説『ヒーロー』を教材に実践。「登場人物の「佐古」と「公平」、どちらのことばに共感を覚えたか?」という問いで書かせた。生徒は面白く教材を読んでおり、問いに対する意見もはっきり二分された。

今後は、教材の切り取り方を再考し、上記の「回し読み」などを使いながら実践する。
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主体的・協働的な学びにつながる実践を(第188回 2016年12月18日 例会報告)

2017年01月01日(日)|by カプス管理2
【実践報告】

今回は、今年度中の暫定的な教材作成を目指し、3人が実践報告をおこなった。

石黒浩『アンドロイドは人間になれるか』は、「『自分らしさ』など探すな」「人 生で好き嫌いはもったいない」という主張の箇所を読ませた。石黒氏の文章に刺激を受ける生徒が多く、手応えを感じたようである。今後は「好き嫌い」をテーマに、ちきりん・梅原大吾の『悩みどころと逃げどこ ろ』と合わせて実践を試みる。

出生前診断をテーマにした島薗進『いのちを“つくって”もいいですか?』は、 「いのちを選ぶことができるようになっている現実を、どのように考えますか?」という設問を出したとこ ろ、価値観を揺さぶるような実践となった。今後に向けて、「あなたはどう考えるか」という問い方にした り、別クラスで生徒が書いた回答をもとに話し合わせたりするなどの方法も検討された。

「『普通』とはなにか」をテーマに、岸政彦『断片的なものの社会学』の「普通であることの 意志」を読ませた。生徒は LGBT に高い関心を持っており、ホットなテーマであることを実感した。ただ、 LGBT そのものをテーマとして扱う「人権学習」的にならないようにする必要があるとの意見が出された。

これからも実践と教材作成を継続し、3月の「16年度版ベスト教材」作成を目指す。


【『生き方GET BEST10』発送&フォレスタネット登録】

◆今回は13時から集まり、『ベスト版』の発送作業をしました。送り先はバカロレア認定校の15校と、 ALに力を入れている学校や、図書館活動の活発な学校など、合わせて69校です。

◆フォレスタネットにカプスを登録しました。フォレスタネットとは、「先生どうしでつくる、教務・授業 支援サイト」です。カプスの宣伝告知・販売促進・仲間の勧誘などができる見込みです。カプス会員で定期 的に投稿する必要があります。→詳しくはフォレスタネットhttps://foresta.education)を御覧ください。
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「生徒に迫る設問とは」(第187回 2016年11月3日 例会報告)

2017年01月01日(日)|by カプス管理2
【実践報告】

今回は『世界の果てのこどもたち』(中脇初枝)と 『神去なあなあ夜話』(三浦しをん)の実践報告がおこなわれた。

『世界の果てのこどもたち』は、2回目の実践だが、以前とは異なる場面を読ませ た。作品そのものに力があり、生徒は集中して読んでいた。「極限状態に おいて、親は子どもを手放すべきか?」という設問に対しても、生徒は 様々な回答を出していた。このようなテーマでほかに教材がないか、ま たこの設問を使って他校で実践ができないかを探る。

『神去なあなあ夜話』は、「あなたは『愛』というものをどのようなものだと考え ますか」という設問で書かせた。しかし、話としては面白いものの、発問が「愛」一般に引き付けるものであったためか、教材から離れた回答が見られてしまった。


【『生き方GET BEST10』の販売戦略を探る】

1月の出版記念会以後、売上の芳しくない『生き方GET BEST10』の新たな販売戦 略を探った。かつての『生き方 GET』では、会員の勤務校などを中心に 購入されていたが、現在の高校で学校(学年)単位での購入は難しいと 思われる。 そこで、対象を先進的な取り組みをしている国際バカロレア認定校(全 国で 15 校)や、学校図書館で集団読書を行っている高校などに絞り、見本発送を行う。
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